コンセプト

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アーティストとは、どんな形や規模であれ、内なる自己の意識を見つめると共に外へ表現しようとすることに生きがいを持ち、行動する人の事だと思います。僕自身も、そんな1人。それは誰もが持っている感情なのかもしれません。

これまでに、そのための様々な手法を模索してきました。絵画・イラストレーション表現など平面に主として取り組んでいますが、アニメーションも制作し、モチーフとしてフィギュア(人物)、風景、キャラクターなど様々です。ただ、どんな形態の作品であれ、一貫してそこにあるのは『幸福を感じ、求め、共有したいという意識』のような気がします。キャラクター表現による作品でより際立つ「楽しさ」「笑い」「笑顔」もそこに含まれます。それはなぜかを以下に書くことにします。

今、自分が制作活動を続けているのには、直接のきっかけがもちろんあります。

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10年ちょっと前のことですが、一枚の絵を見て、これまで見た中で感じたことが無いくらいの感動の衝撃を覚え、ずーっとその虜になっていたのを今でもはっきり覚えています。その絵に"人の心の優しさ"が絵のタッチと色彩と共に描き出されていました。少なくとも、自分にはそう感じました。単に表面上の綺麗な部分だけではない、作家さんの内なる想いが結果として表面に出ているような気がしました。「絵ってここまで人を感動させられるものなのか」と、決して大袈裟な物ではなく正直にそう体感した瞬間です。絵を描くのは元々好きでしたが、まだ勉強不足であったし、絵を描く具体的な目的というか、目標が見えていなかったようです。そのとき絵というジャンルで感動する喜びと心地よさを味わった事は、結果として今も自分が絵を描いているというその事実にリンクしています。

少し話は変わりますが、ここ最近、情報メディアのデジタル化が急速に普及し、世界規模で数分前の出来事さえも瞬時にニュースで知ることが出来るようになりました。情報が多くなった分だけ、これまで知らなかった人間の負の部分にも目を向ける機会が多くなりました。身勝手で許しがたい犯罪とその犠牲による人の死、理不尽や不満、宗教紛争、戦争。最近そういうニュースが絶えません。ダビンチも言っているように"戦争"は人間の最大の愚かさであり、“個人間"の争いが拡大して“国家間"になればそうなります。それを知って大抵思う事、「人間って何なんだ?」

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人間である自分自身も、また誰にでも負の部分はもちろんあり得ることであり、それを否定しているわけではないですが、しかし人は、人や動物を愛したり、思いやったり、助け合ったり、感動したり、手を取り合うことができる。自分自身、実際に阪神淡路大震災により瓦礫の中で生き埋めになった経験があります。大勢の方が同時に亡くなりました。そんな中、見ず知らずの人、隣近所の人、家族が一生懸命助けてくれた。それでもあと数時間救出が遅れていたら、自分は五体満足ではなかったし死んでいたかもしれない。当時はパニック状態で気持ちに整理がつきませんでしたが、今になって思えば、形には見えないけれど色んな人の自分に対する暖かい想いが自分を救ってくれたと確信しています。 そんな経験もあり、自分が作品を創作するにあたって、せっかく絵を描いて表現する手段を持っているのだから、そういう“人の暖かい感情"にもっと目を向けてみたいと、今ではますます思うようになってきています。

それは10年前の一枚の絵との出会いで感動したポイントにも繋がるし、その意思には間違いは無いと思える。だから、変に毒さを出すような作為を持たず、ありのまま、感動するまま、自然体でテーマを貫きたいと願っています。

このような色んな出来事や想いが現在進行形で絡み合って、今の自分の作品制作のスタイルとテーマを築いているのでしょう。ただ、まだ今は、終わりの無い旅の途中にいる感じです。作品を創り続けることは、自分をもっと知る為の、自分にとっての唯一の方法なのかも知れません。自分探しの旅でもあるのです。

奏 ‐フルート‐ 2005 (c) HidehiroUeoka
ティー 2001 (c) HidehiroUeoka

日時: 2007年02月28日 17:31 | | CM (0) | TB (0)

バイオグラフィ

上岡 秀拓 (うえおか ひでひろ)

1979年生まれ
主に絵の制作を、他にキャラクターアニメーション等も手掛け
る。現在、宝塚造形芸術大学で教員を務める。
バイクで各地へ旅した風景を撮ることを趣味としている。
【hide's website 夢見心地】

常設展示
イタリアンレストラン PePe -西宮・門戸厄神
受賞歴
2000 宝塚市国際交流絵はがきイラスト

2001 大阪刺繍商工業組合 キャラクターデザイン 最優秀賞
第7回九州デザイン展 入選

2002 第7回学生CGコンテスト 準入選
アジアデジタルアート大賞 入選
関西新制作展 入選
IFA国際美術展 新人賞
第9回小さな小さな大展覧会 学生賞
第48回吹田市展 市長賞

2003 第8回学生CGコンテスト 準入選
インターネット国際アート・フォトコンテスト 佳作
第9回 九州デザイン展 準入選
アジアデジタルアート大賞展 入選
第6回ジャケコン 最優秀賞『 Wind 』

2004 ニッケ 羊くんイラストコンテスト『私の羊くん賞』
やそきち「きゃらコン2004Yearグランプリ」キャラクターアニメーション賞
ごろー「きゃらコン2004Yearグランプリ」コミカルキャラクター賞

2005 ワイノット フラッシュモバイル「フラモバコンテスト2004」ショートムービー賞

制作発表

2000 兵庫県神戸元町 はた珈琲店
2000 兵庫県尼崎市塚口 カフェ・ド・コムシェトワ
2002 兵庫県 新西宮ヨットハーバー
2002 大阪刺繍商工業協同組合 キャラクターファッションショー
2002 兵庫県尼崎市塚口 カフェ・ド・コムシェトワ
2003 カフェテラス ラベンダー 二人展
2004 カフェテラス ラベンダー ラベンダーアートフェスタ
2004 県立美術館 原田の森ギャラリー宝塚造形芸術大学美術学科『REAL』展
2006 アールヌーヴォー百年展 広島ARTSPACE本通


ライセンス保有キャラクター

2003 やそきち 「きゃらコン2003Yearグランプリ」グランプリ賞

2004 やそきち 「きゃらコン2004Yearグランプリ」キャラクターアニメーション賞
2004 ごろー 「きゃらコン2004Yearグランプリ」コミカルキャラクター賞
その他 作品紹介

■2006.6 キャラクター「やそきち」のハイパー絵本の登場です。
デジタル絵本『 トーマスじいさんと やそきち』
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●あらすじ●
山間にひとりアトリエを構えて
のんびりと絵を描いて暮らすトーマスおじいさんのもとに、
"やそきち"がひょっこり現れます。
おじいさんは、"やそきち"をアトリエに招待することにしましたが・・・・。

お子様と一緒に読んで楽しめる、動く絵本です。
優しく、ゆったりとしたナレーションを聞きながら絵本を読み進むと、
知らぬ間に"やそきち"の世界に入り込んでしまいます。
ピアノとハーモニカが奏でる演奏が、お話をさらに盛りあげます。

■ 『トーマスじいさんとやそきち』 ■
文:hide/REPCO
絵:hide
ナレーション:高野 ぱぐ
ピアノ演奏:ピアノあくあ
ハーモニカ演奏:まこと

日時: 2007年02月22日 17:33 | | CM (0) | TB (0)